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日影規制による中高層建築物の高さの制限とは?【一級建築士試験】

悩んでいる人

「中高層建築物の高さの制限って何かな。日影はどんな条件で規制されるの。」

本記事ではこういった方向けです。

こんにちは。ポンタです。

僕は令和元年度に一級建築士試験に合格しました。

法規は、初めは難しいかもしれませんが、1度覚えてしまうと面白いように解けます。

法規の出題範囲で「日影規制による中高層建築物の高さの制限」として「法52条の2」があります。用途地域等の条件によって日影規制の時間は様々です。

今回は「日影規制による中高層建築物の高さの制限」について紹介していこうと思います。

法第56条の2の規定について

法56条の2の法令は以下になります。

第56条の2(日影による中高層の建築物の高さの制限)

 別表第四(い)欄の各項に掲げる地域又は区域の全部又は一部で地方公共団体の条例で指定する区域(以下この条において「対象区域」という。)内にある同表(ろ)欄の当該各項(四の項にあつては、同項イ又はロのうちから地方公共団体がその地方の気候及び風土、当該区域の土地利用の状況等を勘案して条例で指定するもの)に掲げる建築物は、冬至日の真太陽時による午前八時から午後四時まで(道の区域内にあつては、午前九時から午後三時まで)の間において、それぞれ、同表(は)欄の各項(四の項にあつては、同項イ又はロ)に掲げる平均地盤面からの高さ(二の項及び三の項にあつては、当該各項に掲げる平均地盤面からの高さのうちから地方公共団体が当該区域の土地利用の状況等を勘案して条例で指定するもの)の水平面(対象区域外の部分、高層住居誘導地区内の部分、都市再生特別地区内の部分及び当該建築物の敷地内の部分を除く。)に、敷地境界線からの水平距離が五メートルを超える範囲において、同表(に)欄の(一)、(二)又は(三)の号(同表の三の項にあつては、(一)又は(二)の号)のうちから地方公共団体がその地方の気候及び風土、土地利用の状況等を勘案して条例で指定する号に掲げる時間以上日影となる部分を生じさせることのないものとしなければならない。ただし、特定行政庁が土地の状況等により周囲の居住環境を害するおそれがないと認めて建築審査会の同意を得て許可した場合 又は当該許可を受けた建築物を周囲の居住環境を害するおそれがないものとして政令で定める位置及び規模の範囲内において増築し、改築し、若しくは移転する 場合においては、この限りでない。 

ちょっと長くて分かりにくいですね。

日影規制の確認の手順としては以下になります。

  1. 用途地域を確認:法別表第4(い)
  2. 建築物の高さを確認:法別表第4(ろ)
  3. 規制を受ける平均地盤面からの高さを確認:法別表第4(は)
  4. 規制時間を見る:法別表第4(に)
  5. 緩和の対象か確認する。:令135条の12

まず、別表第4を見る必要があります。

法別表第4 抜粋

(い)(ろ)(は)
地域又は区域制限を受ける建築物平均地盤面からの高さ
1第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域又は田園住居地域軒の高さが七メートルを超える建築物又は地階を除く階数が三以上の建築物一・五メートル
2第一種中高層住居専用地域又は第二種中高層住居専用地域高さが十メートルを超える建築物四メートル又は六・五メートル
3第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域又は準工業地域高さが十メートルを超える建築物四メートル又は六・五メートル
4用途地域の指定のない区域イ 軒の高さが七メートルを超える建築物又は地階を除く階数が三以上の建築物一・五メートル
ロ 高さが十メートルを超える建築物四メートル

平均時盤面からの高さは、低層地域では「1、5m」、その他の地域では「4mや6.5m」です。一般的に1階の窓の高さや2階の窓から日が差す高さになります。

次に実際の日影規制時間は(に)欄を見ます。

法別表第4(に)抜粋

敷地境界線からの水平距離が十メートル以内の範囲における日影時間敷地境界線からの水平距離が十メートルを超える範囲における日影時間
1(一)三時間(道の区域内にあつては、二時間)二時間(道の区域内にあつては、一・五時間)
-(二)四時間(道の区域内にあつては、三時間)二・五時間(道の区域内にあつては、二時間)
-(三)五時間(道の区域内にあつては、四時間)三時間(道の区域内にあつては、二・五時間)
2(一)三時間(道の区域内にあつては、二時間)二時間(道の区域内にあつては、一・五時間)
-(二)四時間(道の区域内にあつては、三時間)二・五時間(道の区域内にあつては、二時間)
-(三)五時間(道の区域内にあつては、四時間)三時間(道の区域内にあつては、二・五時間)
3(一)四時間(道の区域内にあつては、三時間)二・五時間(道の区域内にあつては、二時間)
-(二)五時間(道の区域内にあつては、四時間)三時間(道の区域内にあつては、二・五時間)
4(一)三時間(道の区域内にあつては、二時間)二時間(道の区域内にあつては、一・五時間)
-(二)四時間(道の区域内にあつては、三時間)二・五時間(道の区域内にあつては、二時間)
-(三)五時間(道の区域内にあつては、四時間)三時間(道の区域内にあつては、二・五時間)
-(一)三時間(道の区域内にあつては、二時間)二時間(道の区域内にあつては、一・五時間)
-(二)四時間(道の区域内にあつては、三時間)二・五時間(道の区域内にあつては、二時間)
-(三)五時間(道の区域内にあつては、四時間)三時間(道の区域内にあつては、二・五時間)

先ほど確認した用途地域と建築物の高さから上記の表を読み取ります。

日影規制の時間がいくつかあるのは、地方公共団体ごとで上記の表の中から規制を定めているからです。実務上は設計する自治体に確認して規制を確かめる必要があります。

日影規制のポイントとしては以下になります。

  • 日影規制は敷地境界線から5m以内は適用外ということ
  • 周辺の環境を害するおそれがない場合、特定行政庁が許可する場合もある
  • 平均地盤面は、敷地内の建築物全体の地盤面の平均をとること

日影規制の緩和とは?

法第56条の2の続きです。

2  同一の敷地内に二以上の建築物がある場合においては、これらの建築物を一の建築物とみなして、前項の規定を適用する。

☆3  建築物の敷地が道路、川又は海その他これらに類するものに接する場合、建築物の敷地とこれに接する隣地との高低差が著しい場合その他これらに類する特別の事情がある場合における第一項本文の規定の適用の緩和に関する措置は、政令で定める。

4  対象区域外にある高さが十メートルを超える建築物で、冬至日において、対象区域内の土地に日影を生じさせるものは、当該対象区域内にある建築物とみなして、第一項の規定を適用する。

5  建築物が第一項の規定による日影時間の制限の異なる区域の内外にわたる場合又は建築物が、冬至日において、対象区域のうち当該建築物がある区域外の土地に日影を生じさせる場合における同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める

日影規制の緩和でよく出題されるポイントは「3」です。

上記「3」の内容は、以下の2つに分けられます。

  1. 建築物の敷地が道路、川又は海などに接する場合
  2. 建築物の敷地と隣地との高低差が著しい場合

緩和の措置や事項は政令で定めるものとなっており、「令135条の12」になります。

令135条の12(日影による中高層の建築物の高さの制限の適用除外等)

 法第56条の2第3項の規定による同条第1項本文の規定の適用の緩和に関する措置は、次の各号に定めるところによる。

一 建築物の敷地が道路、水面、線路敷その他これらに類するものに接する場合においては、当該道路、水面、線路敷その他これらに類するものに接する敷地境界線は、当該道路、水面、線路敷その他これらに類するものの幅の1/2だけ外側にあるものとみなす。ただし、当該道路、水面、線路敷その他これらに類するものの幅が10mを超えるときは、当該道路、水面、線路敷その他これらに類するものの反対側の境界線から当該敷地の側に水平距離5mの線を敷地境界線とみなす。

二 建築物の敷地の平均地盤面が隣地又はこれに連接する土地で日影の生ずるものの地盤面(隣地又はこれに連接する土地に建築物がない場合においては、当該隣地又はこれに連接する土地の平均地表面をいう。次項において同じ。)より1m以上低い場合においては、その建築物の敷地の平均地盤面は、当該高低差から1mを減じたものの1/2だけ高い位置にあるものとみなす。

上記をまとめると、

  • 道路や水面、線路敷の幅の半分だけ、敷地境界線を広く取れる
  • 道路や水面、線路敷の幅が10mを超えた場合は5mだけ敷地境界線を広く取れる
  • 隣地との高低差が1m以上の場合は「(高低差-1m)/2」だけ平均地盤面を高く取れる

敷地に周辺に「道路や水面、線路敷」、「隣地との高低差」がある場合は規制の緩和があるため気をつけておきましょう。

ちなみに、日影時間は、「冬至日」の「午前8時から午後4時」までの8時間において、生じる日影の時間です。

最後に日影規制の確認の手順です。

  1. 用途地域を確認:法別表第4(い)
  2. 建築物の高さを確認:法別表第4(ろ)
  3. 規制を受ける平均地盤面からの高さを確認:法別表第4(は)
  4. 規制時間を見る:法別表第4(に)
  5. 緩和の対象か確認する。:令135条の12

日影規制は、法別表第4を確認し規制時間を確認し、緩和の条件にも注意しましょう。

また、法規の勉強ポイントについては、【一級建築士】法規の勉強法【得点につながる項目紹介】で詳しく解説しています。

というわけで以上です。

本記事が少しでもみなさんの役に立ててれば幸いです。

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