「一級建築士試験のエスキスの勉強方法を知りたい。エスキスのコツってあるのかな。エスキスで迷って時間が掛かってしまうけど、効率良い解き方ってあるんだろうか。」
本記事ではこういった悩みを持っている人向けです。
こんにちは。ポンタです。
僕が受験した令和元年度は、再試験となり問題が難化しました。
それでも、資格学校の採点でランクIAを取り、合格する事ができました。
「一級建築士試験のエスキスって時間ばかり掛かって良いプランができない。どうやって勉強すればいいのか。」という悩みがあると思います。
エスキスの勉強は、「1課題を短時間で勉強し、回数をこなしましょう。」最初は1/400でエスキスをすると手が動きません。時間だけかかって勉強の効率が悪いです。なので綺麗に書くのは、資格学校の課題や、1課題を通す時だけで良いと思います。また、エスキスで心がけることは「均スパンに拘らない、大空間をはじめに配置、廊下を起点にする」です。自分なりのルールを決めておくと、迷いが減らせてオススメですよ。
それでは「エスキスの勉強方法」について話していこうと思います。
エスキスは短時間チビコマで勉強する
エスキスの勉強は時間を意識しましょう。つねに時間を測ります。納得のいくプランができなくても、必ず決めた時間の中で終わらせる様にしましょう。そして直ぐに回答を確認することもポイントです。
エスキス勉強は1回あたり30〜40分
製図試験の勉強期間は2ヶ月しかありません。学科試験より使える時間が限られています。一課題のエスキス勉強を短時間とする事で、できるだけ多くの回数、エスキスをこなす事です。
手順としては以下の通りです。
- 課題文を読む
- 動線や敷地条件などの整理、ゾーニング
- 階構成、面積、容積、建蔽率、高さ制限
- 屋外施設、平面検討
- チビコマ、スパン割り
上記の作業を30分〜40分で、1課題を行います。学校で説いた課題文を使うと思うので、マーカーの引かれたものを使います。繰り返し勉強する事を考えるとマーカー処理を毎回するより、エスキスに時間を使いましょう。
一つの課題に時間をかけてじっくりエスキスするという意見もあるかもしれません。ただ、スピード感を養う事と、隙間時間に気軽に勉強できる事を考えると短時間で一課題の勉強をする方がオススメです。
チビコマは1マス40〜50㎡と想定してエスキス
チビコマで勉強すると言っても、イメージし辛いかもしれません。チビコマとは性格に寸法を測ってエスキスせずに、方眼紙のコマを1スパンと考える方法です。その1コマを40〜50㎡と想定して勉強しましょう。
1マス40〜50㎡の幅があるのは、要求室の面積、短辺の幅で、エスキスしやすい面積が別れるためです。課題文に100㎡の部屋が多いなら50㎡、80㎡なら40㎡の様に使い分けましょう。
チビコマのメリットとしては以下になります。
- コンパクトで全体が把握しやすい
- スピーディに思考回数を増やせる
- スペースを取らないのでボツ案を残しておける
エスキスのコツは、どれだけ思考回数を増やせるかだと思います。チビコマなので「気軽に配置してみて、ダメなら次のプランに行く、良さそうな配置が作れたら、決まってないとこだけエスキス」する事がオススメですよ。
チビコマだとスケール感が分からないと思うかもしれません。でも、始めにグリッドを決めると、スパンを動かせなくなります。収まらない可能性も高いです。スケール感の確認は1/400で清書する時で良いと思いますよ。
チビコマが完成すれば1/400の清書も直ぐに完成しますよ。ちなみにPSやDSなどの細かい納まりを確認するために1/400のエスキスは行った方が良いと思います。
同じ課題でも色々な方法で解く
上記の勉強法を行なっていると同じ課題を何度も解くことになります。解答や自分なりの解き方を覚えてしまうかなと思います。なので、同じ課題でも解き方を変えて勉強する事がオススメですよ。
解き方や条件を変えて勉強することで同じ課題でも何度も勉強することができます。何度も同じ方法で解くよりは、やり方を変えて自分の引き出しを増やした方が良いです。
例えば以下の通りに変更できます。
- 短辺4スパン → 短辺5スパンに変える
- 階の構成を変えてみる
- 敷地の向きを変えてみる
エスキスは同じ課題でも解き方は無限にあります。色々な解き方をしてエスキスの引き出しを増やしましょう。敷地の向きや短辺スパン数を少し変えるだけで、全く違う難易度になると思いますよ。
同じ課題でも自分なりに条件を変えて何度も解いてみましょう。
僕が意識していたエスキスのテクニック
僕がエスキスする際に意識していた事を紹介します。以下に3つ程まとめて見ました。
- 均等なスパンにこだわらない
- 大空間から配置する
- 廊下は真っ直ぐ通す
均等なスパンにこだわらない
均等スパンは見た目も綺麗です。実務で設計をやっている方は綺麗なスパン割りで設計したい人が多いのかなと思います。ですが、エスキスに使えるのは2時間程度です。迷う時間が減らせるなら、臨機応変にスパンは決めた方が良いです。
僕の場合は、RC造なのでスパン長6〜10mで決めていました。先に配置したい場所に部屋を配置して、面積に対してスパン長を決めます。部屋の面積から計算して、スパンを調整する方法ですね。
- 建物外形を決める
- 動線や眺望などの条件つきの要求室を配置する
- 室面積に応じてスパンを調整
- 残りのスペースで、その他の部屋を配置する
スパンは構造に配慮して決めます。「X方向×Y方向で60㎡以内」にしましょう。10mスパンを使うなら、10m×6m=60㎡で短辺は6m、8mを使うなら、8m×7m=56㎡で短辺は7m以下です。
均等なスパンに拘るよりは臨機応変にスパンを変動させた方がエスキスしやすいのでオススメですよ。
大空間や条件付きの室から配置する
エスキスを始める時に最初に何から手をつけて良いのか、という悩みがありました。最初に配置を考えるのは条件付きの部屋や、2層吹き抜けなどの大空間からにしましょう。
条件がない部屋は配置の可能性は無限にあります。大空間や条件付きの部屋は収めた方が良さそうな位置が絞りやすいです。条件がきつい部屋を起点にしてエスキスを始めると手を進めやすいと思います。
例えば以下の室から考えると良いです。
- 2層吹き抜けの大空間 → 上階のエスキスにも影響する
- 屋上庭園や眺望、日当たりに配慮する室 → 配置のパターンが限られる
- 動線の縛りがある室 → 一つ決めると関係室も自然と決まる
大空間で柱を抜いた場合は、構造的に上階に柱を配置できません。同じ様な空間が上階にもある場合は、上下で重ねた方がエスキスしやすいです。また、1階はエントランスが決まれば、大空間を奥に配置してみるのが良いかと。「エントランス → ホール → 大空間」の構成が綺麗だと思います。
エスキスは大空間や条件付きの室から考えていきましょう。
廊下は真っ直ぐ通す
廊下は真っ直ぐ通しましょう。あまりクネクネしているとエスキスが難しくなりますし、見栄えが悪いです。利用しやすい様に廊下は真っ直ぐ通すと良いです。
廊下を真っ直ぐ通す事で部屋の配置が分かりやすくなります。廊下の左右に部屋を配置するとキレイに収まりやすいです。木の幹の様なイメージですね。
僕の場合は、先に大空間や条件付きの部屋を配置します。それを起点にホールと真っ直ぐ廊下を通します。通した廊下を挟んで左右に室を配置していました。また管理ゾーンの廊下は、T字や十字の形をイメージし、突き当たりを通用口にすると作りやすいと思います。
- 大空間やホールから真っ直ぐ廊下を通す
- 廊下の左右に室を配置していく
- 廊下の延長戦に2つのコアの位置を配置
廊下の突き当たりは、できれば窓にしたいです。「自然排煙の関係で、30m以内に排煙窓を確保」しないといけません。廊下の突き当たりを窓にしておくと計画が楽です。機械排煙は、ダクトルートや排煙能力などを理解しないといけないので自然排煙がオススメですよ。
部屋を端から詰め込むのではなく、廊下を起点にして配置を考えましょう。
また、エスキス中にどうしてもまとまらなくなった時は、【一級建築士試験】エスキスがまとまらない時の原因と対処法【経験談】で解説している内容を参考に原因を探してみてください。
一級建築士試験で差が着くのはエスキスの質
一級建築士試験で差がつくのはエスキスです。記述や作図のレベルは合格者レベルになってくると同レベルかなと思います。
記述は与えられた物を書ければ、一般的な内容でも得点できます。作図はどれだけ頑張っても2時間くらいが限界です。エスキスの質しか差がつくところがありません。
一級建築士試験はエスキスをどれだけ磨く事ができるかが勝負です。エスキスは早めの対策から何度も練習しましょう。僕の場合は、1回30分程度で勉強していたので、毎日2課題は最低解いていました。
エスキス力を磨いてライバルと差をつけましょう。
また、製図試験の勉強方法については、【一級建築士】製図試験の勉強法でお悩みですか?【初学者向けに僕が合格した方法を紹介!】で詳しく解説しています。
というわけで以上です。
本記事が少しでもみなさんの役に立ててれば幸いです。