「一級建築士の空調設備はどんな問題が出題されるのかな。空調設備が苦手だけど理解できるまで勉強しないとダメかな。」
本記事ではこういった方向けです。
こんにちは。ポンタです。
令和元年度に一級建築士試験に合格しました。
一級建築士試験の科目の中に環境•設備がありますよね。
僕はあまり得意な科目ではなくて、受験者の中でも苦手な方も多い印象です。
その中でも、空調設備については、複雑ではありますが、かなり重要な項目になります。
今回は、一級建築士試験の空調設備について解説していきたいと思います。
一級建築士試験の空調設備は超重要科目です
学科試験の勉強をしている段階では実感を持てないかもしれませんが、一級建築士試験で空調設備は大切な科目です。
空調設備は苦手な方が多く、僕も得意ではありませんでした。
それでも、学科の数点だと割り切って勉強しないのは、後々後悔します。
なぜなら、空調設備については、製図試験でも必要な知識で、学科試験みたいな選択肢はなく、単純な暗記だけでは作図できないからです。
学科では環境設備の数点分
空調設備は、学科試験では、環境•設備の科目の数点分です。
幅広い範囲の中のたった数点と考える人もいるかもしれません。
なぜなら、空調設備が解けなくても学科試験に合格できるからです。
ですが、空調設備との関係は製図試験まで続く長い付き合いです。笑
それもエスキスや記述、作図全てで頭を悩ませる可能性もあります。
学科試験の段階では、選択肢が用意されているため文面から何となく正当できる可能性もありますが、製図試験に選択肢はないため注意が必要です。
施工の問題などと違い、どんな空調設備があり、どういう時に使うのかを何も与えられていない状態でも、説明できる必要があります。
学科試験の数点と考えずに、苦手でも割り切って十分に理解する必要があります。
製図試験での空調設備の問われ方
空調設備は製図試験では、室の用途や形状によって自分で選択します。
大空間を空調するか、小さな居室、吹き抜けを空調するかで空調設備には得意なもの苦手なものがあるからです。
自分が受験した年の美術館の課題では、
- 収蔵庫の常時空調
- ホール等の大空間
- エントランスの吹き抜け部
上記のように空調箇所によって、設備を考える必要がありました。
場合によっては、問題文で指定される事もあるため、自分が得意としているもの以外にも知っている必要があります。
その場所に適していない空調を使うと大幅な減点にもつながります。
記述でも計画の要点を聞かれる
製図試験には記述試験もあります。
計画の要点を自分の言葉で記載しないといけません。
そして、記述のお題は試験問題によって変わっており、計画、設備、構造、省エネルギー等様々です。
そして、空調設備については出題される確率は非常に高いです。
記述では、文章だけでなく断面図などを求められる事もありますので、DS、PSの配置や機械室の有無など十分に理解してないと記載できません。
文章についても、与えられた用紙の枠内は全て埋めた法が良いため、少なくとも計画の要点で、一つの項目に工夫したポイントを2つは書けるようにする事がオススメです。
作図した図面の空調設備について、文章と図を使ってプレゼンテーションする必要があるため、空調設備の理解は欠かせません。
また、製図の内容は学科試験が終わった後にゆっくり勉強すれば良いと考える方もいるかもしれません。
ですが、製図試験には2ヶ月ほどしか時間がなく、他にもエスキスや作図、他の記述の項目などやる事は盛り沢山です。
そのため、学科試験の段階から空調設備を理解しておくと、他の受験者より有利になります。
空調設備は一級建築士試験の最後まで付き合う必要があるため、捨て科目にはできません。開き直って勉強しましょう。
製図試験における空調設備の重要なポイント
空調設備は製図試験での躓きポイントの一つです。
自分も環境•設備の科目は、学科試験の段階では9割ほど得点したので、苦手というほどではありませんでした。
ですが、製図試験で使えるような、空調設備の知識が学科の段階で身についていたかというと、そうではありませんでした。
なので、最低限の知識はあったものの、製図試験の勉強をしながら空調設備についても同時に勉強しました。
空調設備は、課題文を読みながら、要求室や課題条件を確認し、エスキスしながら決める必要があります。
そして空調設備は、エスキスプランに大きく影響する要素です。
例えば、製図試験で空調設備を考える上のポイントとしては以下になります。
- 機械室が必要かどうか
- 空調性能が十分か
- 記述で計画の要点を書けるか
順番に解説します。
機械室が必要かどうか
空調設備には、空調機械室を設けなければならないものもあります。
空調機械室を設けるか否かでエスキスの難易度に大きく関わってきます。
なぜなら空調機械室は、室のボリュームが大きいからです。
建物の面積などによりますが、場合によっては数百㎡の場合もあります。
どんなプランでも空調機械室を設けていては、サービスゾーンのエスキスが収まりません。
また、DSやPSの位置、給気用、排気用が適切に設けられているかも重要です。
その建物に本当に、単一ダクトのような機械室が必要なものを採用しないといけないのかを見極めないといけません。
空調性能が十分か
空調にも単一ダクトのように、広い範囲を空調できるものと、天井カセット型のように小スペースの空調が得意のものまで様々です。
それぞれ要求室などに対して、適した空調を採用しないといけません。
例えば、天井が高いホールのような空間や、エントランスの吹き抜け部分などの部分です。
天井が高いとフロアレベルまで空調が効くのかどうか、吹き抜け部分をうまく空調できるか考えないといけません。
建物全体に、一つの空調設備を使用するのではなく、場所によって空調を変えることも必要になってきます。
記述で計画の要点を書けるか
製図試験では、記述があります。
記事では、自分の書いた図面について計画の要点を適切にプレゼンテーションしないといけません。
毎年、様々なお題が出題されますが、ほとんどの年で空調設備については問われます。
また、記述問題でも図を用いて説明しないといけない場合もありますので、排気、給気DSや室外機、機械室等の有無などを記入しないといけない事もあります。
空調設備の知識が曖昧だとなぜその空調を使ったのか、記述する事ができないかと思います。
それぞれの空調設備の長所や短所、何語必要なのかそれぞれの特徴を知っている上で、その空調設備を選んだ根拠を持って、作図する必要があります。
なんとなくこの空調が良さそうでは、合格は難しいということですね。
しっかり空調設備について理解した上で、自信を持って、選ぶ事が大切だということです。
当たり前なのですが、製図試験に合格している方は、設備に関しても完璧に理解しています。
基本的なことをクリアした上で、エスキスプランの良さによって差が生じるのが一級建築士設計製図試験です。
空調設備は、製図試験では合否を分ける重要なポイントなのでしっかり理解が必要です。
まとめ:空調設備は一級建築士の合格には切り離せない
空調設備については、一級建築士試験の最後まで付き合っていく必要があります。
苦手な方もいるかと思いますが、割り切って勉強する必要があります。
僕の場合は、絵を書いてノートにまとめたり、自分の中で空調設備を選ぶルールを作ったりしていました。
逆に、学科試験の段階で、空調設備を完璧にしておけば後々、楽になります。
しっかり対策しておきましょう。
また、環境・設備の勉強ポイントについては、【一級建築士】環境・設備の勉強法【得点につながる項目紹介】で詳しく解説しています。
というわけで以上です。
皆さん多忙な中、勉強するのは大変でしょうけどがんばって下さい。
本記事が少しでもみなさんの役に立ててれば幸いです。