「一級建築士の合格率はどれくらいなんだろう。一級建築士になりたいけど、どうやって合格しているんだろう。」
本記事ではこういった悩みを持っている方向けです。
こんにちは。ポンタです。
僕は令和元年度に一級建築士をストレート合格しました。
実際に僕が勉強を始める前に感じた疑問ですが、「一級建築士の合格率はどれくらいか」です。
勉強を始める前に、自分が目指す場所がどれくらいなのか気になりますね。
一級建築士の合格率は学科で「20%前後」、製図で「40%前後」、総合での合格率は「10%前後」です。しかし、過年度生も含めての合格率のため、ストレート合格を目指すとなると実際は「7%」くらいです。
では一級建築士の合格率について、深掘りしていこうと思います。
一級建築士試験の本当の合格率は?
- 学科試験:20.7%
- 製図試験:34.4%
- 学科+製図:10.6%
上記は令和2年度の一級建築士の合格率です。
学科試験の合格率
学科試験は「計画、環境設備、法規、構造、施工」の5科目の合計点で競います。
それぞれの科目に足切り点があるのでバランス良く勉強が必要です。
合格率は20%前後
学科試験の合格率は、例年20%くらいです。
だいたい10人に1〜2人が合格しています。
参考までに平成21年度以降で、合格率が最低と最高の年は下記になります。
- 最低合格率:15.1%(平成21年)
- 最高合格率:22.8%(令和元年)
合格基準点は90点前後
合格基準点は125点満点中の90点前後です。
得点率でいうと75%くらいになります。
平成21年度以降で、合格基準点が最低と最高の年は下記になります。
- 最低基準点:87点(平成23年、平成29年)
- 最高基準点:97点(平成21年、令和元年)
令和元年と平成21年は、高得点での争いとなっています。
過去3年の合格基準点と合格率まとめ
学科試験 | 合格基準点 | 合格率 |
令和2年 | 88点 | 20.7% |
令和元年 | 97点 | 22.8% |
平成30年 | 91点 | 18.3% |
合格基準点にバラツキがあるのは、一級建築士試験が「相対試験」だからです。あらかじめ合格者数は決まっていて、その年の受験者のレベルによって基準点が調整されるからです。
製図試験の合格率
製図試験は記述と製図の合計点によって合格者が決まります。
減点方式なのでいかに、ミスなく仕上げるかが勝負の試験です。
合格率は40%前後
学科試験の合格率は、例年40%くらいです。
だいたい10人に3〜4人が合格しています。
参考までに平成21年度以降で、合格率が最低と最高の年は下記になります
- 最低合格率:34.2%(令和元年再試験)
- 最高合格率:42.4%(平成28年)
合格者はランクⅠのみ
製図試験は学科試験とは違い、明確な基準点はありません。
合格図面はミスがなく仕上げられたランクⅠの図面のみ合格します。
どれだけがんばっても、ランクⅡ〜Ⅳは不合格というわけです…
ちなみに、ランクⅣは「法規や構造の違反」でプランの内容によらず失格になってしまいます。
過去3年のランクまとめ
製図試験 | ランクⅠ | ランクⅡ | ランクⅢ | ランクⅣ |
令和2年 | 34.4% | 5.6% | 24.3% | 35.7% |
令和元年 | 36.6%(34.2%) | 3.0%(5.3%) | 29.2%(31.9%) | 31.3%(28.6%) |
平成30年 | 41.4% | 16.3% | 16.5% | 25.9% |
学科と製図を合わせた合格率
一級建築士は学科と製図の両方に合格して取得できます。
重要なのは「学科と製図の両方に合格」することです。
2つ合わせての総合合格率は以下になります。
- 令和2年:10.6%
- 令和元年:12.0%
- 平成30年:12.5%
一級建築士は10人に1人は合格できるんだなと考えると意外と多く感じるかもしれません。
しかし、この数字は「過年度の学科合格者」も含んでいる数字です。
製図試験は3回まで受験が可能です。初めから数年かけて合格を目指すなら良いですが当然目指すなら1年での「ストレート合格」だと思います。ストレート合格者は「実際にはもっと少人数」になります。
過去のストレートでの総合合格率を表にまとめると以下になります。
過去3年のストレート合格率
ストレート合格 | 学科試験 | 製図試験(再試験) | ストレート合格率 |
令和2年 | 20.7% | 34.4% | 20.7%×34.4%=7.1% |
令和元年 | 22.8% | 36.6%(34.2%) | 22.8%×36.6%(34.2%)=8.3%(7.8%) |
平成30年 | 18.3% | 41.4% | 20.7%×41.4%=7.6% |
上記の計算は、学科試験から受験する方を対象としたものです。
一級建築士試験をストレート合格する割合は「7%くらい」ですね。
実際は過年度の受験生が合格者の多くを占めるためもう少し下がるかもしれませんが、、、。
また、大学別の合格率の内訳については、【2022年版】一級建築士の合格率が高い大学はどこなの?【卒業後の環境も合格率に影響】で詳しく解説しています。
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【2022年版】一級建築士の合格率が高い大学はどこなの?【卒業後の環境も合格率に影響】
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どうやって一級建築士に合格するのか
一級建築士のストレート合格率は7%くらいで、一般的に難関資格と言えるでしょう。合格者の内訳ですが、その「ほとんどは資格学校」に通っています。
製図試験の独学は難しい
学科試験は「独学で合格している方」も少なからずいます。
ですが、製図試験の独学での合格はかなり難しいです。
製図試験は過去問やテキストだけでは十分に対策できません。
設計課題は毎年変わります。そのため毎年新しい知識が必要になるからです。
過去5年の設計課題は以下になります。
- 令和2年:高齢者介護施設
- 令和元年:美術館の分館
- H30年:健康づくりのためのスポーツ施設
- H29年:小規模なリゾート
- H28年:子供・子育て支援センター
一級建築士試験を突破するには、試験を研究している資格学校や経験豊富な講師に学ぶのが近道です。「最新の情報が手に入る」資格学校の受講生の方が独学者よりも有利ですね。
製図試験に合格するには資格学校が有利なので合格者の割合も多いです。
合格率の内訳
一級建築士の合格者の内訳は以下になります。
総合資格 | 日建学院 | その他 | |
合格率 | 53.8% | 37.3% | 8.9% |
一級建築士の合格者の「9割以上が大手資格学校」の受講生です。その他の資格学校の受講生がいる事も考えると「独学者の割合は数%」程度です。
それでも独学での合格は不可能ではない
資格学校に通わなくても合格している人はいます。
独学での合格者は少ないですが、不可能ではありません。
独学での合格は不可能ではないですが、かなりの「努力と対策が必要」です。
資格学校と競うことになるので、過去問やテキストだけではなく、建設業界のニュースや実務の設計資料などの研究が必要です。
資格学校はお金もかかりますし、独学での合格を目指すことも1つの選択です。
独学で何年も苦労するよりも、「製図試験だけでも資格学校に通って合格」してしまった方が良いかなと思います。
可能なら製図試験だけでも資格学校に通うことがオススメです。
もし資格学校の費用や、時間がないことが気になるなら【スタディング】がオススメです。
大手資格学校の1/10以下の費用で受講できて、動画を用いた通信講座なので「自分のペースで勉強」できます。
また、製図試験を独学合格を目指すべきかという疑問は、一級建築士の製図試験は独学合格できるのか?【なぜ資格学校が必要なのか?】でも詳しく解説しています。
一級建築士は簡単ではないが継続して勉強すれば大丈夫
今回は一級建築士の合格率について紹介してきました。
一級建築士は建設業界で働くならとっておいて損はありません。自ら建物を設計したいなら必ず取得する必要があります。
一級建築士は簡単な資格ではありませんが努力して勉強すれば合格できる資格です。
僕もはじめは資格学校の模試で3割くらいしか得点できませんでしたけど合格できました。
製図試験は設計の経験や実務でのノウハウ等を持っている人が有利だったりもしますが、学科試験に関してはどれだけ勉強してきたかが全てです。
一級建築士は「他人より努力した人が受かる」資格です。
簡単ではありませんが、継続して勉強することが合格への近道です。
また、一級建築士の合格までの道筋や僕の体験については、一級建築士に一発合格するためのロードマップ【僕が合格した経験まとめ】で網羅できますので参考にご覧ください。
というわけで以上です。
本記事が少しでもみなさんの役に立ててれば幸いです。