「一級建築士試験の建築史を勉強するの大変だなぁ。建築史は暗記が大変だけど、全部覚えないといけないのかな?」
本記事ではこういった方向けです。
こんにちは。ピオン太です。
僕は令和元年度に一級建築士試験にストレート合格しました。
学科試験の科目で計画があります。
計画の科目では、いろいろな建築作品が問題として出題されますが、その内に建築史の問題が含まれます。
一級建築士試験の建築史は、完全に暗記で範囲も日本から西洋まで多岐にわたるため勉強は大変です。
今回は、一級建築士試験の建築史について解説していきたいと思います。
一級建築士試験の建築史は重要な科目なのか?
一級建築士試験の計画には建築史があります。
計画の中には、建築作品関係の問題が数多く出題されており、年によっては半分くらいが建築作品の出題パターンもあります。
その作品関係の出題の中で、建築史という項目があり、暗記するとこが多くて苦手意識を持っている方も多いと思います。
自分も建築史は勉強するまで、ほとんど知識がなく大変そうだなと考えて後回しにしていました。
建築史について重要な科目かというと、結論から言えば、勉強しなくても一級建築士に合格はできるが、得意になれば計画の特点源に繋がる項目です。
計画での建築史の点数内訳
一級建築士の計画は、合計20点満点の科目です。
その内、建築史の出題は2~4問程度です。
全体の1~2割程度の項目なので、得点できなくても合格には影響が少ないです。
ですが、学科試験には足切り点が存在するため、他の科目で取りこぼさない事が大切です。
建築史は勉強する時間がかかるし、全然暗記できない、という方以外は勉強しておいた方が良いかなとは思います。
2点の差というのは試験を受ける前だと実感できないと思いますが、意外と大きな差です。
合格基準点付近では、1点の間に何百人と受験者がいます。
僕が思うには、初めから得点できない項目を作るよりも、面倒ではあっても全ての分野を勉強すべきかなと思います。
問題の傾向は毎年似ている
建築史の問題の傾向は毎年似ているものが出ます。
なぜなら、現代の建築作品とは異なり過去の物しか出題されないからです。
一級建築士試験は、法改正などを繰り返しながら、年々範囲が異なってきます。
ですが、建築史においては歴史上のことなので、よっぽど新たな発見がされない限り試験範囲が増えることはありません。
建築史は、既に参考書や過去問などで出尽くしている作品や様式から出題されます。
もし、今まで見たこともないような問題が出題されたら、誰も解くことはできないでしょう。笑
なので、勉強するのは大変ですが、暗記さえしておけば安定した得点を狙えますので、捨てるのはもったいない項目ではあります。
製図試験には影響がない項目
学科試験の中には、製図試験のために理解が必須な項目がいくつかあります。
学科試験の段階で、理解していないと製図試験のなって勉強しようとしても時間が足りないケースが多くあるため、しっかり勉強が必要です。
例えば、以下のような項目です。
- 空調設備
- 構造計画
- 道路高さ制限
上記のような項目は製図試験でも必須です。
しかし、残念ながら建築史は製図試験には影響しません。
設計製図の課題で歴史的な建物が出題されれば別ですが、残念ながらその可能性はほとんどありません。
なので学科試験で建築史を勉強していなくても、製図試験にさえ進んでしまえば何の問題もありません。
ですが、上記でも言っていますが、毎年、建築史は一定の科目出題されていますので、勉強さえすれば得点できる項目です。
初めから諦めて、捨てるにはもったいないかなと思います。
僕が実践していた建築史の勉強法
次に僕が実際に行っていた建築史の勉強法を紹介したいと思います。
建築史は範囲もそれなりに広く、建築作品も覚えないといけないので完全に暗記科目です。
僕自身、勉強を始める前には範囲も広いし中々手をつけにくいなと感じていました。
ですが、実際にやってみると案外覚えられるものですよ。笑
建築作品の年代をカテゴリーする
まずは建築作品もたくさんありますので、カテゴリー分けをして理解します。
大きく分けると、日本建築か西洋建築、都市計画かの3つです。
そして、日本建築でも以下のように分けられます。
- 古代:飛鳥~平安
- 中世:鎌倉~室町
- 近世:安土桃山~明治
- 現代
建築史と言われるものは、古代~近世の時代になります。
ちなみに、西洋建築の場合も同じように年代を分けられます。
上記のように建築作品を見る前に全体の時代背景を、知っておくことで、建物が建築された順番を問われたときに対応しやすいです。
そして、どの時代に何が該当するのかを意識しながら覚えていくことは重要になってきます。
それぞれの様式を理解する
建築史には建物の様式を問われる問題も多くあります。
どの建物が何の様式に該当するのかは、出題パターンの一つです。
例えば、日本建築の様式を大きく分けると以下のものがあります。
- 神社
- 寺院
- 居住施設
上記の信者の中でも、細かく分けると神明造なのか大社造なのか、住吉造なのか等といった細かい様式を覚える必要があります。
ただ大きな括りで分けると、実は3パターンなのです。
西洋建築は少し量が多くて、3パターンには括れません。
- ギリシャ
- ローマ
- 初期キリスト教
- ビザンチン
- イスラム
- ロマネスク
- ゴシック
- ルネサンス
- バロック
- 新古典
上記の様に様式の数は多くなります。
建築史では、時代の順番と様式の特徴をよく問われますので理解しておく必要があります。
写真や絵に描いてまとめる
上記のように、それぞれの時代と様式の特徴を理解したら後は、建築作品がどれに該当するかを当てはめていくだけです。
ここが一番大変かもしれませんが、時間をかけて一気に覚えてしまいましょう。
自分の場合は、その建物の特徴を写真を見たり絵に描いたりしながら覚えました。
建築作品集などの本を見ながら勉強する方が頭に入ってくるかと思います。
やはり過去問だけのような文章で理解するよりも、建築作品については実際の写真を見たり、ネットで検索したりすると頭に入りやすいですよ。
また、1日に何個か覚えて少しずつ勉強するよりも、一つのカテゴリーに絞ってまとめて勉強した方が圧倒的に記憶に残りました。
少しずつ覚えようとすると日数もかかるし、覚えた先から忘れていっちゃうんですよね。笑
なので、せめて関連するカテゴリーについてはまとめて勉強した方が全体も見えてきますので、理解しやすいです。
まとめ:建築史は時間がかかるが特点源に繋がる
建築史の勉強は、暗記科目になり作品も多いため時間はかかるかもしれません。
ですが、しっかり勉強すれば問題の傾向も毎年似ている内容になりますので、得点源にもなります。
僕の場合も、最初は覚えられるか不安でしたが、一度建築史を勉強した後には、模試では毎回得点を取れていました。
なので、時間がかかるし、製図試験には影響しないんですけど、僕は建築史をしっかり勉強するべきかなと思います。
よっぽど他の取りこぼしがないことに自信があれば別ですが…笑
また、計画の勉強のポイントについては、【一級建築士】計画の勉強法【得点につながる項目紹介】で詳しく解説しています。
というわけで以上です。
皆さん多忙な中、勉強するのは大変でしょうけどがんばって下さい。
本記事が少しでもみなさんの役に立ててれば幸いです。