「一級建築士の難易度はどれくらいなんだろう。一級建築士になりたいけど、どれくらい勉強すればいいんだろう。」
本記事ではこういった悩みを持っている方向けです。
本記事では、一級建築士試験の難易度について解説しています。
こんにちは。ポンタです。
僕は令和元年度に一級建築士をストレート合格しました。
建築関係で働く上で一級建築士試験は一つの目標になると思います。
僕は新卒の頃から、よく上司に言われていたんですが「一級建築士を早く取るように」と、、、
そんな多くの方が目指す一級建築士ですが、勉強する前に難易度がどれくらいか気になりますよね。
勉強をするにしても目標や自分がどれくらい頑張らないといけないのかの指標が必要かと思います。
ポイント
結論から言いますと、一級建築士試験はH21年度を境に難易度が大きく変わっており年々試験で求められる内容も増えています。また、H21年より前と今では、難易度が別物と言っても過言ではありません。ストレート合格するためには製図試験を見据えて、学科試験からコツコツ勉強することです。
一級建築士試験が、「具体的にどう難しくなったのか」紹介していこうと思います。
一級建築士の難易度はH21年を境に大きく変わった
H21年からの変更点
- 学科試験の合格に必要な得点が上がった
- 学科試験の科目数が増加した
- 製図試験に記述が追加された
上記は一級建築士試験のH21年から大きく変わった点です。
1.学科試験の合格に必要な得点が上がった
H21より前は学科試験の突破に必要な得点率が60%弱です。
最近では合格基準点が90点くらいなので得点率は70%くらい必要です。
下記は試験が改正される前の学科試験の合格基準点です。
- H20年:64/100点 → 得点率64%
- H19年:63/100点 → 得点率63%
- H18年:63/100点 → 得点率63%
あとで紹介しますが一級建築士試験は問題数も増加しているため、最近の試験では、より正確な解答が必要になってきています。
2.学科試験の科目数が増加した
H21年より科目数が4科目から5科目に増えました。
新たに「環境・設備」という科目が追加になりました。
- 計画
- 環境・設備 → NEW
- 法規
- 構造
- 施工
ちなみに、各科目の配点、合計点も変わっています。
以下で表にしてみました。
配点の比較
H21より前 | H21年以降 | |
計画 | 25点 | 20点 |
環境・設備 | − | 20点 |
法規 | 25点 | 30点 |
構造 | 25点 | 30点 |
施工 | 25点 | 25点 |
合計点 | 100点 | 125点 |
表を見ると、耐震偽装問題の影響を受けて、より「法規と構造が重要視」されるようになりました。
3.製図試験に記述が追加された
H20年より前は製図試験は作図だけでしたが、記述が追加されました。
記述試験は図面で表現できない「構造や設備、省エネなど計画に配慮したこと」を課題条件を満たすように文章と簡単な図で表現します。
記述の配点は公表されていませんが、1項目でも空欄があると合格する確率は大きく減ります。記述の配点は公表されていませんが、全ての項目に適切に回答し自分のプランに反映させることが合格図面の最低条件です。
ただ図面を書いて法律を守るだけでなく、建物のコンセプトを考えてアピールしないといけない試験になりました。
一級建築士試験はどれくらい勉強が必要なのか
一級建築士の合格に必要な時間は「1000〜1500時間」くらいだと言われています。
実際には、学科試験で「1000時間」、製図も含め「1000〜1500時間」くらいです。
資格学校のスケジュールは1年前から
資格学校の講座は前年の秋から始まります。
およそ1年間、かけて一級建築士の勉強することが一般的です。
資格学校のカリキュラムでは「週に20時間以上の学習」を推奨されていました。
1日に3時間の学習で、週に21時間の勉強時間になるので資格学校も1000時間を目安にスケジュールを組んでいます。
- 1日:3時間
- 1週間:21時間
- 1ヶ月:84時間
- 1年間:1095時間
個人差はありますが一級建築士に合格するには、それなりの勉強時間が必要です。
僕の勉強時間
僕の勉強時間を紹介します。
平日はだいたい2時間半、休日で10時間くらいの勉強時間でした。
1週間あたり20〜25時間くらいです。
ぼくの勉強時間はざっくり計算すると下記になります。
学科試験 | 製図試験(延期期間) | 合計 | |
勉強時間 | 927時間 | 200(400)時間 | 1127(1327)時間 |
令和元年は台風で製図試験が延期しました。
延期期間を抜いて計算すると1000〜1500時間の勉強時間になっていますね。
学科試験は短時間で合格している人もいるが・・・
学科試験は短期間の詰め込みで、まれに合格する人もいます。
それでも学科で手を抜いていた人は製図試験の合格までは、できていない人が多いんじゃないかと思います。
選択肢から答えを選ぶことはできても、法規や構造、設備などの知識を活かして、白紙から建物を設計することは知識が身についていないと難しいです。
学科の知識はそのまま製図試験に影響してきます。学科は短期間で合格できたけど、製図で何度も落ちている人を僕は知っています。製図まで含めた合格を狙うなら学科からコツコツ勉強することがオススメです。
やはり、製図試験も含めて合格を視野に入れるならある程度の勉強時間は確保する必要があります。
学科試験の勉強法について
僕が合格した学科試験の勉強方法についても紹介しておきます。
学科試験は長期戦です。多くの人が半年以上の長い期間を勉強することになると思います。
勉強のコツは一度覚えたことを極力忘れないこと、忘れても思い出すタネを植えておくことです。
僕が実践していたアウトプット学習で記憶に定着できる勉強をすることがオススメですよ。
詳しくは以下の記事で解説しています。
-
【一級建築士】学科試験の勉強法でお困りですか?【初学者向けに僕が合格した方法を紹介!】
続きを見る
一級建築士の偏差値からみる他の資格との比較
資格名称 | 偏差値 | 業種 |
司法書士 | 72 | 法律 |
税理士 | 68 | ビジネス系 |
一級建築士 | 66 | 建築 |
中小企業診断士 | 66 | ビジネス系 |
社会保険労務士 | 65 | 法律 |
行政書士 | 65 | 法律 |
一級建築士の資格は上記の通り66です。
偏差値を比較することで、「一級建築士が難関資格なのか、他の資格と比較してどれくらい難しいんだろう」ということがわかります。
表を見てもわかる通り一級建築士は、他の難関資格と比較してみても遜色ないような資格となっております。
また、建築系の資格の中では難易度が高い部類になっているのも特徴です。
詳しくは以下の記事でも解説しています。
-
【気にしなくても大丈夫!】一級建築士の偏差値はどれくらい?
続きを見る
実際に一級建築士の合格率はどれくらいなのか
ストレート合格 | 学科試験 | 製図試験(再試験) | ストレート合格率 |
令和2年 | 20.7% | 34.4% | 20.7%×34.4%=7.1% |
令和元年 | 22.8% | 36.6%(34.2%) | 22.8%×36.6%(34.2%)=8.3%(7.8%) |
平成30年 | 18.3% | 41.4% | 20.7%×41.4%=7.6% |
上記の計算は、学科試験から受験する方を対象としたものです。
ストレートで合格するのは、おおよそ7%程度の方のみです。100人いたら7人くらいの方ですね。
それも学科と製図の両方に合格しないといけないため、難易度としては高い試験になります。
製図試験も3度落ちてしまうとまた学科から受験し直さないといけないこともポイントです。
詳しくは以下の記事でも解説しています。
-
【実質合格率7%】一級建築士試験の本当の合格率
続きを見る
まとめ:難易度は上がったがコツコツ勉強することで合格は可能です
今回は一級建築士の難易度について紹介してきました。
一級建築士試験の難易度はH21年度から大きく上がりました。
また、年々製図試験で要求される項目が増えたり等、少しずつ難しくなっています。
それでも勉強時間をしっかり確保することでストレート合格も不可能ではありません。大事なことは毎日コツコツ積み上げていくことです。
一級建築士試験は、学科から製図まで視野に入れて長期的に学習しましょう。
というわけで以上です。
本記事が少しでもみなさんの役に立ててれば幸いです。